TKC入会は昭和四十八年。
最初は、飯塚毅先生からダイレクトメールが届き、札幌に来て講演されるというので、コンピュータ会計に興味もあり聴きに行った印象に残ったのは、やはり飯塚事件。個人的なことから端を発したとはいえ、国税局から延べ数千人を超す調査官を動員しての徹底的な捜査を受け、それを乗り越えたということはすごいことだ。飯塚先生の正しい経営姿勢に感激した。さらに名国語ぺラペラ。しかも禅の道も極められ、精神修養もしておられる。自利利他という言葉にも共感した。飯塚先生は桁違いに偉大な方だと思った。そして飯塚先生の講演を何度も聴講するうち、ますます飯塚毅という人物が大好きになった。
しかし、コンピュータ会計処理は絶対に会計事務所には必要だと思っていても、なかなか踏み切れずにいたのも事実。こちらも事務所の根幹である会計業務をコンピュータ会計に切り換えるわけだから命がけ。だが、やはり飯塚先生についていこうと、つまりTKCコンピュータ会計処理を導入しようと決心したのである。
TKC入会の頃には関与先が約七百件になっていた。TKCコンピュータ会計への切り換えは、『日計表』をもとに、関与先に負担をかけることなくスムーズに移行できた。現在、小樽、札幌の事務所の関与先を合わせて千社以上あるが、関与先コードを調整し、すべてTKCのコンピュータで会計処理を行っている。
私は青色申告連合会、税理士会の役職が多く、TKC北海道会小樽支部長を一期務めさせていただいたが、活発な活動ができず残念に思っている。
TKC北海道会元会長の五十嵐勝義先生はTKCの道内の中心的存在の方で、同先生の事務所におうかがいしご指導を受けたことを想起して、非常に親しくさせていただいたこと感謝するばかりだ。なお、TKC北海道会現会長の戸井敏夫先生は北海道税理士会二代目の会長の戸井正三先生のご子息であり、正三先生は、私が税理士会小樽支部長時代並行して小樽青色申告連合会会長を引き受けることをご支持くださった大恩ある方である。そして正三先生からのご依頼で子息敏夫先生のご媒酌をさせていただいたことを懐かしく思っている。
公職では、北海道税理士会小樽支部長を十年務めたあと、現在、小樽支部顧問。また、北海道税理士会副会長を一期務めたあと、現在、北海道税理士会相談役を務めている。
加えて、小樽青色申告会連合会会長を二十五年間、それに合わせて北海道青色申告連合会副会長を二十三年間務めた。平成五年五月、妻が病を患い手術することになり、その看護等で時間をとられるため、職務をまっとうできないと思い会長職を退かせていただいた。
青色申告会での活動が評価をいただけたのだろう、四十六年十一月、小樽税務署長表彰、五十二年十一月、札幌国税局長表彰を受賞した。続いて、五十八年十一月、黄綬褒章表彰、さらに六十二年十月、国税庁長官表彰を受賞。さらなる栄誉として、平成二年十一月五日、大蔵大臣表彰もいただいた。本表彰は毎年全国で三十数人が受賞されるようだが、両陛下の真ん前に立って拝謁の栄誉を賜り、そのときばかりはこのうえない感激に涙があふれ止めどないほどだった。そして平成三年十月八日、勲五等瑞宝章を賜った。 |